この健康増進サポートコラムは、
「株式会社 古城企画」が提供する健康情報コラムです。
その時々で必要になりそうな情報をまとめ、
地域の方々に少しでも貢献できるよう、頑張っていきたいと思います。
「美味しいものを食べ続けるのは悪いことなの?」
食欲の秋について
夏の暑さが鳴りをひそめ、秋らしい涼しい季節がやってきました。
秋と言えば、「食欲の秋」
美味しいものが旬を迎え、食べる機会が増える時期です。
「栗」や「ブドウ」、
「サツマイモ」に「かぼちゃ」
「お肉」もおいしい季節ですね。
これらの美味しいものに共通するのは、
炭水化物いわゆる「糖分」、
または「脂」が多く太りやすいことです。
今回は、こんなおいしいものをたくさん食べ続け
肥満になるとどうなるのかについて考えていきたいと思います。
肥満
食べ過ぎによる肥満
<まず、肥満の何がよくないのか?>
肥満には脂肪が手足につくだけの皮下脂肪型肥満と、
脂肪が内臓につく内臓脂肪型
この2種類があります。
このうち、内臓(腸間膜)に脂肪がつくと、皮下脂肪型肥満とは違い、高血圧、脂質異常、糖尿病を起こしやすく、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になると言われています。
皮下脂肪型肥満
「洋ナシ型肥満」とも呼ばれています。
皮下脂肪とは、皮膚の下につく脂肪のことで、
この脂肪がたまり過ぎた状態が皮下脂肪型肥満です。
内臓脂肪型肥満
「リンゴ型肥満」とも呼ばれています
内臓脂肪とは、内臓の周囲、腸などの消化管を固定している膜にたまる脂肪のことで、
この脂肪がたまり過ぎた状態が内臓脂肪型肥満です。
なぜ内臓脂肪型の脂肪の方が危険なのか
先ほどの何が良くないか?でもお伝えしましたが、
内臓(腸間膜)に脂肪がつくと、
皮下脂肪型肥満とは違い、高血圧、脂質異常、糖尿病
つまり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を起こしやすいからです。
これは、内臓脂肪が健康を害する物質を放出することに起因しており、
ほっておくとその後に別の取り返しのつかない多くの疾患の原因になることが分かっています。
よって、原因である内臓脂肪は、危険であると考えられています。
内臓脂肪と疾患の関係
<メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは>
内臓肥満の過剰な蓄積によって、動脈硬化性疾患の予防を目的とした予防医の概念です。
内臓脂肪を防ぐことで動脈硬化になるのを予防し、動脈硬化によって引き起こされる日本人の死因2位の心臓病や、死因4位の脳卒中などの病気を未然に防ぐことができます。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)により引き起こされる有名な疾患には
高血圧、高血糖、脂質異常症があります。
高血圧
<肥満になると高血圧になりやすくなります>
肥満者の高血圧発症率は、肥満でない人の2~3倍です。
特に若いうちからの体重増加が、その後の高血圧発症の重要な危険因子となります。
どんな因子が肥満を伴う高血圧の因子になるのかというと
〇交感神経の活性化による、血管収縮の回数増加
〇ナトリウム貯留・食塩感受性低下による血中のナトリウム量の上昇
〇インスリン抵抗性の上昇による血糖値の上昇
これらの関与が指摘されています。
さらに、肥満症の患者の場合、睡眠時無呼吸症候群を伴うことがあり。一時的な無呼吸が高血圧の発症や増悪の原因となることもあります。
糖尿病
<肥満になると糖尿病になりやすくなります>
肥満者の糖尿病発症率は、肥満でない人の3~6倍です。特に内臓脂肪型肥満は、糖尿病発症と病態の進行・悪化します。
欧米人と比較し、日本人の成人では軽度の肥満であっても耐糖能異常などの代謝異常のリスクが高まることが知られており、「体重を減少させる生活改善指導」を受けた人と受けていない人では、指導を受けた人のほうが糖尿病になるのを減少させることができたとのことです。
脂質異常症
<肥満になると脂質異常症になりやすくなります。>
肥満になると内臓脂肪の脂肪細胞からレプチンの分泌が低下するため、脂質の分解が遅くなります。このため、食べた分や肝臓で作られる分が血液に残る割合が多くなるため、脂質異常症になりやすいとのことです。
以上の事から、肥満つまり内臓脂肪蓄積は、高血圧、高血糖、脂質異常を起こし、これらの状態が動脈硬化を起こす危険因子となります。
また、内臓脂肪から分泌される悪いアディポサイトカインの作用は直接的に動脈硬化を促進します。
しかし、BMI25以上の肥満であっても食事療法と運動療法による体重減少で、肥満に起因する比較的軽度な高血糖、脂質異常症、高血圧は早期に改善されるとの報告もあることから、肥満だから「もうあきらめるしかない」ということではないようです。
<なので、具体的な対策としては>
<まず、小腸から血液へ吸収させない対策として>
〇食物繊維(野菜・海藻)・L-グルタミン(大豆・肉・魚・卵・チーズ・牛乳・海藻)を、食事をする前に多めに食べる
〇食事開始から5分間は野菜・タンパク質(大豆・肉・魚・卵・チーズ・牛乳)を食べる(5分間、炭水化物は食べない)。
※食物繊維は、
糖や脂を付着させることで小腸に吸収されるのを防ぎ、便として排泄すると考えられているからです
※L-グルタミンは、
小腸や膵臓でのGLP-1の分泌を促進するため、消化管の運動を抑制したり、満福中枢を刺激して満腹感を感じさせてくれるからです。
〇少し汗をかくぐらいの運動をしてから食事をする。
などがあります。
<次に、血液の中の糖や肝臓の中性脂肪(トリグリセリド)を消費する対策として>
〇空腹を感じる時間を長くする。
〇夜は炭水化物(ごはん・パンなど)を取りすぎない
〇肝臓を休ませるための休肝日を設定する。
〇飲酒する量を減らす。
などがあります。
<ワンポイントアドバイスとしては>
食物繊維やL-グルタミンはサプリメントがありますので、
食事の5分前に飲んで食事をしてみて体に合っているようであれば続けるのも、
一つの方法ではないかと考えられます。
以上のことから「美味しいものを食べ続けるのは悪いことなの?」の問いの答えは
おいしいものを食べることは、悪いことではありません。
ただし、「ほどほど」とか「適量にする」ことが大切です。