健康増進サポートコラム

この健康増進サポートコラムは、
「株式会社 古城企画」が提供する健康情報コラムです。
その時々で必要になりそうな情報をまとめ、
地域の方々に少しでも貢献できるよう、頑張っていきたいと思います。

「インフルエンザが流行ってるからワクチン受けるけど、インフルエンザってそんなに悪い風邪菌なの?」

今年はゆっくりとではありますが寒さが身に染みる季節になり、空気が乾燥してきました。
やっと季節は冬の様相に変わってきています。
このような、寒く、乾燥した環境のときは、インフルエンザの話がよく出てくるのですが、
インフルエンザとはそもそもどのような病気なのでしょうか。
今回はインフルエンザについて考えてみようと思います。

<インフルエンザとは>

インフルエンザウイルスというウイルスが、のどや鼻に感染して引き起こされるウイルス感染症のことです。
感染すると潜伏期間の1~2日後には症状があらわれてきます。

※潜伏期間とは:
ウイルスに感染しているけどウイルスの量が少ないため、症状が出てこない時間のことです。

また、例年12月から3月にかけて流行することが報告されています。
NIID国立感染症研究所.インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(11/29更新)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html
 
※1月の初めの1週間が第1週なので
12月から3月にかけての場合、
第49週から第53週(グラフでは49~53)と
第1週から第12週(グラフでは1~12)あたりの事を意味しています。

<インフルエンザの症状と風邪の症状の違い>

普段感染する風邪の場合、のどや鼻で増殖したウイルスを除去するために免疫が働き、炎症が起こるため
のどの痛みや咳、くしゃみ、鼻水が出たり、免疫を働きやすくするために、熱が上がります。

しかし、インフルエンザウイルスに感染して引き起こされる症状は、
先に頭痛、筋肉痛、関節痛など、全身症状があらわれた後、
のどの痛みや咳、くしゃみ、鼻水が出てきます。
また、全身に症状が出ることから、必要となる免疫の働きも大きくなるためか、
高熱が出やすいことも知られています。

<インフルエンザウイルスとは>

水鳥から感染が拡大したウイルスと考えられている病原体です。
1918年から流行した「スペイン風邪」というあだ名がついたインフルエンザウイルスは、
世界の人口を2000万人~4000万人ほど減らしたと考えられており、
日本では、40万人の死者が出たと推定されています。
この時も、コロナのような対策が行われたそうですが、
治療薬がなかったために引き起こされた凄惨さが数字から感じられます。

話が脱線しましたが、よく言われる風邪菌とは異なります。
インフルエンザに感染した人によくみつかる菌にインフルエンザ菌がありますが、
この菌は普段からのどや鼻に住み着いている菌で、普段は人間に有害な症状を起こさせたりしません。
ただし、いったん体の中に入ると、血液の成分と二酸化炭素を栄養分として、細菌性髄膜炎を引き起こし、
小児の場合、てんかんや聴覚障害といった後遺症を引き起こしたりします。

つまり、インフルエンザウイルスと風邪菌は別の存在という事になります。

<インフルエンザウイルスの治療には>

私が、学生だったときは、
「風邪(ウイルス感染症)を治す薬が作れたらノーベル賞がもらえるよ!」と言われていました。
つまり、基本的にはウイルス感染症には、対処療法しかできないと勉強していたのですが、

現在、
〇オセルタミビル
〇ザナミビル
〇ぺラミビル
〇ラニナミビル
〇アマンタジン
〇バロキサビル
といった、ウイルスに対する薬があります。

インフルエンザに感染しないことが、大切ですが、
今は感染してもウイルスに対する薬があるので、
(※ただし、薬によっては症状が出て2日以内という制約がありますが)
熱が高いとか、関節が痛いといった症状が出た場合は、躊躇せずに受診することをお勧めします。

とはいえ、やはり感染しないのが一番です。
よってここではインフルエンザウイルスに感染しないための対策を考えたいと思います。

<インフルエンザの対策には>

感染対策には、インフルエンザウイルスが入ってくる感染経路を考えるのが一番です。
つまり、インフルエンザの感染経路である、「飛沫感染」と「接触感染」を防ぐ対策を考えます。

<飛沫感染に対する対策として>

〇マスクをする。
ウイルスを他人と共有しないため。
〇人が多い場所への外出を控える。
人が多い場所へ出向いてウイルスを浴びて持ち帰らないため。
〇ワクチンを打つ。
免疫にウイルスの記憶をあたえることで、ウイルスに感染しても体に起こる被害を小さくするため。
〇食事と睡眠を十分にとる。
免疫を育てるため。
〇加湿。適度な湿度の維持することで空気中のウイルスを減らすため。
〇こまめな換気。空気中のウイルスを減らすため。
〇こまめな掃除。ウイルスが付着して残りやすい埃などを取り除くため。
などが考えられます。

<接触感染の対策として>

〇手洗い。外出したあとなどに付着したウイルスを取り除くため。
以下に手の洗い方のポスターがありましたので、参考にされてください。
※1.厚生労働省.インフルエンザ対策.啓発ツール
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/poster25b.pdf

<結論>

「インフルエンザが流行ってるからワクチン受けるけど、インフルエンザってそんなに悪い風邪菌なの?」
に対する回答は、
全身症状がでる悪いウイルスで、過去には日本人40万人の命を奪った実績もある油断できない病気です。
ワクチンをうって、十分な食事と睡眠をとって感染症に負けないように生活していくことをお勧めします。

また、今年は、インフルエンザの流行が始まったという報告が上がっている割に、
最近10年の比較では、感染拡大が遅いようです。
ちょうど2022から2023にかけての流行に似ているので、2月から3月でもそこまで感染拡大しないのではないかと祈っていたりします。(感染拡大すると仕事が増えるので、、、)
ですが、南半球の方ではかなり感染拡大したという報告もあるため、
今年もしっかりワクチンと感染対策することで
インフルエンザに注意することをお勧めしたいと思います。