健康増進サポートコラム

この健康増進サポートコラムは、
「株式会社 古城企画」が提供する健康情報コラムです。
その時々で必要になりそうな情報をまとめ、
地域の方々に少しでも貢献できるよう、頑張っていきたいと思います。

「湿度が高いと体が重く感じるのはなぜ?」

最近、雨が多く湿度が高い日が多くなってきました。
そんな時は「湿度が高くて体がだるい」という話題をよく耳にします。
ただ、話題は上がってくるのですが、
なぜ、湿度が高いと体がだるくなるのでしょうか?

私が考えた「湿度が高いと体に影響がある理由」としては以下の2点があります。
① 湿度が高いことによって、細菌が活性化し、感染症を起こした。
② 湿度が高いことによって、汗の蒸発による体の冷却能力が低下した。

そこで、それぞれの理由について対策を考えてみました。
もし感染症が原因であった場合については、
選択の余地なく病院に行って治療するしかありません。
ワンポイントアドバイスがあるとするなら、
鼻水がねっとりしている粘度の高いものである場合は、細菌感染症である場合が多いので、適切な抗生物質を処方してもらう事をお勧めします。

体の冷却能力の低下が原因であった場合については、熱中症の可能性があります。
よくあることなのですが、、、
よくあることだから油断して病院に運ばれる方が後を絶ちません。
今回は、この記事を読んでくれる人へ、少しでも貢献できるように、
この熱中症について考えてみようと思います。

<熱中症について>

<熱中症とは>

温度が高い環境などによって、体温が下がらないために、
体の水分や、塩分のバランスが崩れたり、
体温の調節機能が機能しなくなったときに起こります。
つまり、高い体温を原因とする症状の総称です。

厚生労働省のリーフレットから症状について抜粋しましたので参考にしてください。
※1: 厚生労働省
熱中症を防ぐために知っておきたいこと熱中症予防のための情報・資料サイト
職場の熱中症対策は万全ですか?
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pamph.htmlより
このリーフレットからわかるように、
「めまい」
「筋肉痛」
「こむら返り」といった当院に来院される方もよく訴える症状や、

「頭痛」
「気分の不快感」
「吐き気」
「倦怠感」といった症状があります。
次に、熱中症は一体どのような仕組みで起こるのかを考えたいと思います。

<熱中症が起こるメカニズムは>

体温上昇がキーワードとなります。
ここでは環境省の作った熱中症マニュアルに
わかりやすいイラストがありましたので参考にしてください。
※2:環境省
熱中症マニュアル
ページ3
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.phpより
このイラストからわかるように、
体温上昇を抑えているのは「汗の蒸発」と「皮膚表面での血液の冷却」です。
なので、

<平常時は>

「汗を出す」ことで熱を逃がしたり、
「皮膚に血液を集める」ことで皮膚表面から熱を逃がし
体温を調節しています。
しかし、

<異常時になると>

「汗を蒸発できない状態」や「血液を皮膚に十分な量集められない状態」となるため、
体の熱によって臓器が障害され、脱水によって臓器の虚血を引き起こします。
これらの結果、熱中症の症状が起こるというのが熱中症のメカニズムになります。
次に、熱中症のメカニズムから、
どんな事に気を付けて生活するべきなのかについて考えてみたいと思います。

<具体的に気を付けるべき条件は>

<環境><からだ><行動>の3種類に分類できます。
ここでは環境省の熱中症マニュアルより
わかりやすい図がありましたので参考にしてください。
※3:環境省
熱中症マニュアル
ページ3
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.phpより

<環境については>

体温が低下しづらい環境が該当します。なので、考えられる条件は、

〇「気温が高く」、体温との温度差がないので放熱を妨げられ、体温が低下しづらい環境

〇「湿度が高く」、汗が蒸発しにくいため放熱を妨げられ、体温が低下しづらい環境
※注意:気温が低温でも湿度の高い環境では熱中症が起こりやすいという報告もあります。

〇「風がない」ため、汗が蒸発しにくく放熱を妨げられ、体温が低下しづらい環境

〇「日差しが強く」、日光により体温が上昇するため、放熱しても、体温が低下しづらい環境

といった条件が考えられます。

<からだについては>

血液によって、体温を低下させる能力が低い方が該当します。
なので、考えられる条件は

〇体内水分量が低い、乳幼児、高齢者、二日酔いの方、病気等による脱水症状の方 

〇体に脂肪がついているため、体が保温状態の方

〇持病(糖尿病等)によって、血液の流れが悪く、汗や皮膚からの放熱が低下している方

といった条件にあてはまる方が該当します。

<行動については>

血液を減らす行動が該当します。
なので、考えられる条件は

〇「激しい運動」や「慣れない運動」によって、体温が上がり、
汗など、大量の水分が消費され、血液が減ってしまう状態

〇「長時間の屋外作業」によって、日光や気温による体温の上昇が、
汗など、大量の水分を消費させ、血液が減ってしまう状態

〇「水分摂取ができない行動」によって、
通常の汗などの分泌が水分を消費させ、血液が減ってしまう状態

といった条件が考えられます。
これまでの事を考えて、結局、熱中症対策をするにはどうすればいいのでしょうか?

<熱中症対策については>

重要となるのは、体を温めすぎない対策をすることだと考えられます。
具体的な対策として、厚生労働省のリーフレットより抜粋しました。
高齢者向けではありますが、一般の人にも有効な対策ですので参考にしてください。
※4: 厚生労働省
熱中症を防ぐために知っておきたいこと熱中症予防のための情報・資料サイト
高齢者のための熱中症対策リーフレットhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pamph.htmlより
また先に述べた、条件より考えると

<環境についての対策は>

「暑い、暑くない」に関係なく基本的に体をエアコンで冷やす。

<からだについての対策は>

自分が暑さに弱いのか、弱くないのかを知り、こまめな水分補給をする。

<行動についての対策は>

血液が減るような行動を可能な範囲で避ける。
といった対策が、熱中症対策として有効であると考えられます。

<結論>

湿度が高いと体が重く感じるのは、 細菌感染症になっているのでなければ、熱中症の可能性が高いと考えられます。 特に熱中症の場合、体に熱がこもることで、水分やミネラルのバランスが崩れたり、体内に溜まった熱によって臓器(脳や内臓など)に負担がかかり、体が重く感じるのではないかと考えられます。

<参考文献>

※1: 厚生労働省
熱中症を防ぐために知っておきたいこと熱中症予防のための情報・資料サイト
職場の熱中症対策は万全ですか?
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pamph.htmlより
※2,3:環境省
熱中症マニュアル
ページ3
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.phpより
※4: 厚生労働省
熱中症を防ぐために知っておきたいこと熱中症予防のための情報・資料サイト
高齢者のための熱中症対策リーフレットhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pamph.htmlより