健康増進サポートコラム

この健康増進サポートコラムは、
「株式会社 古城企画」が提供する健康情報コラムです。
その時々で必要になりそうな情報をまとめ、
地域の方々に少しでも貢献できるよう、頑張っていきたいと思います。

「日にあたり過ぎると日焼けになって痛くなるのはなぜ?」

梅雨があけたのに、また戻ってきたような日々が続いています。
しかし、夏はすぐそこまで迫っていて、日差しがだんだんとヒリヒリし始める季節となってきました。
そんなときは、「日焼けあとが痛くて動けない」などの話をよく聞きますが。
なぜ、「日に当たりすぎると日焼けになり、日焼け後が痛くなるのでしょうか」
今回はこのことについて考えてみようようと思います。

<日焼けについて>

<日焼けとは>

日本語では、一括りに「日焼け」として扱われていますが、
日焼けは
「サンバーン」と
「サンタン」   に分類されます。

<サンバーンとは>

日光の紫外線を浴びると個人差はありますが、数時間後に赤い日焼けとして現れる症状のことです。
8~24時間でピークを向え、2~3日後には消失します。
この現象は、日光の紫外線によって皮膚に炎症が起こったために発生していると考えられています。
要するに、赤くて痛い日焼けの事です。

<サンタンとは>

サンバーン後の数日後あたりから、黒い日焼けとして肌に現れる症状のことです。
数週間~数か月をかけて消失していきます。
この現象は、サンバーンによって起こった炎症の再発を防ぐために、体が皮膚にメラニンを分泌させるために発生していると考えられています。
要するに、肌が黒くなる日焼けの事です。
つまり、日焼けとは、
紫外線を浴びることで炎症が起こるため、皮膚の痛みを伴っていることがわかります。
では、いったい紫外線とはどのようなものなのでしょうか?

<紫外線とは>

実は太陽光の6%を占める、物質をイオン化させる力がない光のことで、電磁波の一種です。
色々な波長がありますが、
今回注目するのはUVA、UVB、UVCです。
環境省が作っている紫外線環境保健マニュアル2020に
わかりやすい図がありましたので参考にしてください。
※1 環境省:紫外線環境保健マニュアル2020
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
図に書いてあるように、紫外線は、AからCにかけて波長が短くなります。
波長が短い場合、光のエネルギーが大きくなるので、生物に危険なものとなります。
よって、紫外線の危険性はCが一番大きく、Aが一番小さいことになります。
では、UVCを防ぐことが一番大切なのかというと、実は地球のオゾン層のおかげで私たちが住んでいる環境まで届きません。
代わりに、UVBが10%ほど、UVAが90%ほど、太陽から地球に降り注いでいます。

よって、体を守るために防がなくてはいけない紫外線はUVBとUVAになります。
では、これらの紫外線はどのようにして人の体に炎症を起こしているのでしょうか?
先の説明より、波長の短いUVBはUVAよりも光のエネルギーが大きいので炎症を起こしやすそうなので、まずこちらの紫外線から考えてみます。

<UVBはどうやって、炎症を起こすのか>

実は、悪者っぽく話をしていますが、「日光に当たるとビタミンDができて骨に良いから日光浴しましょう。」の原因はUVBです。
なぜなら、UVBにより皮膚上のプロビタミンD3が光からもらうエネルギーを使う反応を起こしビタミンD3が生成され、骨のカルシウム吸収を助けています。
そんなメリットがあるUVBですが、やはり光のエネルギーが大きく、体の設計図といわれているDNAに吸収されやすい波長があるため、DNAに変化を与えたり、DNAを切断します。このため、DNAを修正する過程で免疫によって炎症が起こり、
日焼けのひとつである、赤くなって痛くなるサンバーンを起こします。

<UVAはどうやって、炎症を起こすのか>

UVAは光のエネルギーが小さいですし、DNAに吸収されにくいと考えられています。しかし、その分波長が長いという特徴から体の奥まで届く性質があります。
すると、細胞の中の光に反応しやすい物質にまで、光が届いてしまうため、光のエネルギーを利用した反応が無理やり起こり、活性酸素という反応性の高い物質が作られます。
この活性酸素によってDNAに変化や切断が起こり、修正の過程で免疫により炎症が起こるのがUVAの日焼けの仕組みと考えられています。
ただし、メラノサイトというメラニンを出す細胞を刺激するため、メラニンによる光エネルギーの吸収によってサンバーンが起こるほどの炎症は起こりにくいとも考えられています。
よって、サンバーンよりも、日焼けのひとつである、黒くなる日焼けサンタンを起こします。
では、実際の報告で、紫外線によってどんな障害が発生したのかを調べてみました。

<紫外線によって起こる健康被害>

環境省が作っている紫外線環境保健マニュアル2020に
わかりやすい図がありましたので参考にしてください。
※1 環境省:紫外線環境保健マニュアル2020
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
大雑把にまとめると、
〇急性症状(わりとすぐに起こると報告されている症状)
サンバーン
サンタン

〇慢性症状(長年蓄積された障害によって起こると考えられている症状)
加齢黄斑変性症
老人性白内障
皮膚がん

これらのことが有名だと思います。
急性症状についてはひと月程度で元に戻りますが、
慢性症状の項目は、取返しのつかない症状が多いので注意が必要だと思います。
最後に、ここまで考えてきたことを踏まえて、どのように対策すればいいかについて考えていきます。
環境省が作っている紫外線環境保健マニュアル2020に
わかりやすい図がありましたので参考にしてください。
※1 環境省:紫外線環境保健マニュアル2020
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
私が考えた日焼け対策も似たようなもので、
<日焼け対策>
日焼け止めクリームを塗る 
飲む日焼け止めを飲む 
帽子をかぶる 
サングラスを着ける 
長袖を着る 
といったものが紫外線対策になると考えています。
また、特に日焼け止めクリームについては、疑問に思うことが多くなると考えられますので、特徴的なものについて調べてみました。
環境省が作っている紫外線環境保健マニュアル2020に
わかりやすい図がありましたので参考にしてください。
※1 環境省:紫外線環境保健マニュアル2020
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
※2 日本化粧品工業連合会 紫外線防止用化粧品を正しく選びましょう
https://www.jcia.org/user/public/uv/prevent
この図にあるPAとSPFは、よくテレビなどでも宣伝されていますが、
PAとSPFとは何なのでしょうか?
<PAとは>
皮膚が黒くなる日焼けサンタンを予防する効果の事です。
+が多いものほどUVAによるサンタンを起こす効果を防止してくれます。

<よって、SPFとは>
皮膚が赤くて痛い日焼けサンバーンを予防する効果の事です。
数が多いものほどUVBによるサンバーンを起こす効果を防止してくれます。
ただし、これらの効果が高ければいいというわけではありません、
先に述べましたが、UVBはビタミンDの産生に欠かせないので防ぎすぎて、ビタミンD不足になっては本末転倒です。
図からわかるように、紫外線を必要な量だけ避けるだけであれば、
日常生活においては、PA++SPF20ぐらいのもので十分ですが、
炎天下のレジャーなどになるとPA++++SPF50+なんてものが必要になります。
どんな場所で、どんなことをするかによって、日焼け止めを使い分け、
十分な量をむらなくのばし、
少なくとも2~3時間おきを目安に塗りなおすといいのではないかと考えられます。

<結論>

日焼け後が痛くなるのは、紫外線によってDNAが変化したり切断され、修復のために免疫によって炎症が起こるためであると考えられます。
対策は、できる範囲で紫外線にあたる量をコントロールしていくことだと考えました。

適量紫外線にあたることは健康にもいいので、日焼け止めをぬりつつ、ちょうどいい時間日光浴をしてビタミンDを作ることで、より健康的になるよう頑張ろうと思います。