こんにちは、野村クリニックの薬剤師です。 今回のテーマは、「銅」です。 なぜなら、前回、亜鉛について調べていて、 過剰の亜鉛を摂取すると銅の吸収が阻害され、貧血になることが分かったからです。 しかし、銅がなぜ貧血につながるのか思い当たりません。 なので、今回は、「銅」について調べてみました。
<銅は> 成人の生体内に約80㎎存在し、 その約50%が筋肉や骨 約10%が肝臓の中に分布しています。 また、約10種類のタンパク質と結合することがわかっており、 酵素としての働きがあるそうです。
<主な銅の体の中での働きは> 〇チトクロムCオキシダーゼになり、エネルギーを生成する 〇セルロプラスミンになり、鉄の代謝を行う 〇神経伝達物質の生産を行う 〇SOD酵素(スーパーオキシドジスムターゼ:活性酸を消去する酵素)になり活性酸素の除去を行う など 以上のように、生物の基本的な機能に関与していることがわかっています。
<厚生労働省の推奨する摂取量は> 18~74歳の男性の場合→1日あたり0.9㎎ 75歳以上の男性の場合→1日あたり0.8㎎ 18歳以上の女性の場合→1日あたり0.7㎎ だそうです。 ただ、1日10㎎を12週間継続しても、異常が無かったそうで、 「とりあえず、摂取する量は、1日10㎎よりは少ない量を摂取しましょう。」という事になっているようです。 なお、研究報告では、 銅欠乏が、貧血、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症を引き起こすことが分かっています。 一方で、 銅の過剰摂取によって、過剰な銅が、活性酸素の生成を促進してしまい、 酸化ストレスによって、肥満、高血圧、糖尿病、心不全、腎不全を悪化させているのではないか? という報告もあります。 なにごとも、適量が大切のようです。
ちなみに、銅が摂取しやすい食品は、 〇魚介類(特に軟体動物:タコやイカなど) 〇肉類(特に肝臓:レバーなど) 〇豆類(きな粉や大豆など) これらの食品に多く含まれているようです。
以上、銅について調べてきましたが、 何気なく十分な量を食事から補っていたためか、 銅がエネルギーの産生や、赤血球の酸素を運ぶたんぱく質のヘムの合成に関与しているなど、 意外と大切なミネラルだったんだなぁと驚きました。 とりあえず、たこ焼きを食べて銅を増やして、 貧血にならないように気を付けたいと思います。 以上、薬剤師の独り言でした。