薬剤師のブログ

こんにちは、野村クリニックの薬剤師です。

今回のテーマは、「鉄」です。
なぜなら、鉄は国民病と言われるほど、日本人に足りてないミネラルであると聞いたからです。
言われてみれば、「鉄が入っている食べ物を何か食べていますか?」と聞かれても即答できません。
なので、今回は「鉄」について調べてみました。
<鉄は>
人体に必要なミネラルの一種で、
赤血球のヘモグロビンに多く存在する金属です。
なので、不足すると貧血を起こします。
成人の体内に約3~5gが存在し、
そのうち70%が赤血球のヘモグロビンと筋肉のミオグロビンに存在します。
残り30%については、肝臓や骨髄、筋肉などに貯蔵されている貯蔵鉄として貯蓄されています。
<鉄の体の中での働きは>
〇トランスフェリンとなって、鉄を体内へ輸送する。
〇フェリチンとなって、鉄を体に貯蔵する。
〇ヘモグロビンとなって、酸素を運搬する。
〇シトクロムP450(CYP)となって、体の毒素を分解したり、服用した薬が薬効を示すように加工する。
〇シトクロムCオキシダーゼとなって、エネルギーを作り出す。
〇カタラーゼとなって、体がエネルギーを作るときにできる過酸化水素によって、遺伝子が傷つけられないように、過酸化水素を水と酸素になりやすくする。

などが考えられています。
<厚生労働省の推奨する摂取量は>
健常者の場合、
18~74歳で男性なら→1日あたり7.5㎎
75歳以上の男性なら→1日あたり7.0㎎
18~64歳で女性なら→1日あたり6.5㎎
65歳以上の女性なら→1日あたり6.0㎎  だそうです。
ただし、女性の場合月経の有無で摂取量が変わりますので、
詳細は厚生労働省が作っている表を参考にしてください。
ちなみに、どんな食べ物に多いのかについてですが、
非ヘム鉄とヘム鉄という状態で食べ物に含まれているそうで、
野菜や卵、牛乳などに非ヘム鉄が
レバー、赤み肉、赤み魚などにヘム鉄が含まれています。
ヘム鉄の方が吸収されやすい鉄という事が分かっていますが、
実際には非ヘム鉄もヘム鉄も含まれた食事を毎日行っているので、
どちらか片方に食べ方を集中させるよりも、
食事全体の鉄分の15%が吸収されることが分かっているので、
1日の食事のメニューの内容が、自分の摂取の推奨量の7倍くらい鉄が含まれているかを気にするといいようです。
なお、吸収されにくい非ヘム鉄ですが、ビタミンCによってヘム鉄になるため
小腸から鉄が吸収されやすくなるそうです。
なので、食事の後の、フルーツはどうやら鉄の吸収を良くしてくれる働きもありそうです。
以上、鉄について調べてきましたが、
体の代謝や解毒の力を維持するためにも、毎日しっかりと摂取した方がいいみたいです。
なので、食後のデザートを美味しくほおばることで、
より効率的に鉄が吸収できるようにしてみようと思います。
なお、余計なことかもしれませんが、鉄を含んでいるサプリなどを使って、鉄の過剰摂取となった場合、
消化器症状の嘔吐、下痢、腹痛などが6時間以内に起こり、2~5日で肝不全や低血糖が起こることがあります。
食事からの摂取であれば、このようなことは起こらないことがわかっていますので、
安易にサプリを使うのではなく、できるだけ食事から摂取した方がいいそうです。
ですので、サプリを使う場合は、「しっかり摂取量の計算をすること」をお勧めしておきたいと思います。
以上、薬剤師の独り言でした。

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