薬剤師のブログ

 延岡におけるコロナの新規感染者数が82人との報告が上がっています。(※R4.10.19現在)
前回は72人とお伝えしているので、微妙に増えていて不気味な感じがします。
国内旅行の奨励や、外国の方の来日も増えているので、感染対策をしっかりしていきたいと思います。

こんにちは、野村クリニックの薬剤師です。

今日のテーマは「血圧が上がるとき」です。

なぜなら、寒くなってきたからです。
遂に、半袖は辛くなって長袖を引っ張り出してきました。
秋から冬の気候に少しずつ置き換わっている気がします。

そんな、寒い気候になると、必ず、お風呂場やトイレで倒れる方や、
オシャレをするために寒さを我慢して、血圧が普段より跳ね上がる方がおられます。

普通の生活をしているだけなのに、なぜ血圧が上がるのでしょうか?
今回はこのことについて、考えてみようと思います。

実は、当たり前のことでもあるのですが、、、、
そもそも、人間は寒いと熱が体から逃げるのを抑えようとします。
このメカニズムは、
「交感神経を活性化させることで、皮膚に近い血管を収縮させます。
つまり、血管を収縮して血圧をあげることで、
血液が熱を放熱してしまう皮膚表面近くにおいて、血液が流れる時間を短くさせることができるので、
体から熱が放出されるのを防ぐことができる」という仕組みになります。
体を外界から守る人間の基本的な反応と言っていいと思います。

しかし、この仕組みは場合によって体に害を与える現象となります。
それが、心筋梗塞、不整脈、脳梗塞などが起き突然死してしまうヒートショックという現象です。
この現象は温度差が10度以上あると起こるそうです。

例えば、お風呂が40℃のとき、その日の気温がほとんどの人が寒さを感じる気温16度であった場合、
温度差が24℃もあることになります。
ヒートショックが起こってもおかしくない状態と考えられます。

けれど、お風呂は生活の一部ですし、トイレは生理現象です。
また、ちょっとしたオシャレで薄着になっただけなのに血圧が上がるなんていただけません!!

よって、それぞれの場合について、対策を考えてみました。

<お風呂の場合>
〇服を脱ぐお風呂場を温める
〇お風呂の温度をあまり高くしない。
〇ご飯を食べてすぐにはお風呂に入らない。

<トイレの場合>
〇トイレを温める。
〇トイレ体操をトイレでする。
〇ウォシュレットをつけて、トイレで力まないようにする。

<オシャレの場合>
〇たくさん着る
〇ホッカイロで温める

対策、、、、なのでしょうか、、、、
せめて、どのくらい服を着ていれば、何度ぐらいの温度に耐えられるか知りたくなったので調べてみました。
※厚着量の目安としてclo値を使っています。興味があれば参考にしてください。

「裸」(clo値=0)→気温30度ぐらいが適温
「半袖・半ズボン」または「Tシャツ・ショートパンツ」(clo値=0.3)→気温27.3度ぐらいが適温
「長袖・長ズボン」または「パジャマ」(clo値=0.5)→気温25.5度ぐらいが適温
「パジャマ・どてら」(clo値=0.6)→気温24.6度ぐらいが適温
「カーディガン・長袖・長ズボン」(clo値=0.7)→気温23.7度ぐらいが適温
「スーツ上下」(clo値=1.0)→気温21.0度ぐらいが適温
「長袖・セーター・ジャンパー」(clo値=1.56)→気温16.0度ぐらいが適温
「スーツ上下・コート」(clo値=2.0)→気温12.0度ぐらいが適温

だそうです。

このデータを逆に考えると、「長袖・長ズボン」を脱いで「裸」になると
温度差が30 – 25.5 = 4.5度の温度差が生じることになります。
つまり、「長袖・長ズボン」は4.5度分の温度を体に保ってくれると考えることができると思います。
こんな感じで、気温に合わせてオシャレを変えてみてはいかがでしょうか、、、、

なにはともあれ、寒い季節になりました。
寒さに負けないよう、体をしっかりあっためて、
平穏な血圧変化を維持したいと思います。

以上、薬剤師の独り言でした。


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