延岡の水曜日の感染者数の発表が先週と比べて増加しています。 前回お伝えした延岡の新規感染者数の人数が63人でした。 しかし、今回は143人に増加しています。(※R4.12.7現在) ここまで新規感染者数が増えてしまうと、 コロナの感染再拡大という、危惧していたことが始まったのではないかと考えてしまいます。 しかし、いろいろな方々の協力によって、インフルエンザとの同時流行は今のところ防げているようです。 できる限り、感染を広げないように、日々の地道な感染対策を頑張っていきたいと思います。
こんにちは、野村クリニックの薬剤師です。 今回のテーマは「漢方の風邪の世界」についてです。 寒くなって、免疫が衰えやすい時期です。 風邪かな?と思っても、まだ病院に行くほど辛くないから、大丈夫。 風邪は熱が上がれば治るからもう少し頑張れる。 日本人ならではの勤勉な考え方ですが、ぜひすぐに受診することをお勧めします。 ですが、受診できない状況もあると思います。 なので、今回はセルフメディケーションの観点から、 どんな風邪にどんな漢方が主に勧められるか、どうなったら諦めて受診するか、について調べました。 調べましたが、、、漢方を使って医療機関に受診できそうになったら、 できれば悪化する前に受診してほしいと願っています。 田舎薬剤師程度の知識ですが、 漢方の風邪には、 六病位という考え方がよく適用されます。 太陽病(寒気、頭痛が出現する) 少陽病(食欲がなくなる) 陽明病(高熱がでる) 太陰病(下痢をして、体が冷える) 少陰病(すぐ疲れ横になりたがる) 厥陰病(重篤な状態になる) これは、傷寒論という治療学書に書いてある「風邪がどのように悪化していくか」の順番だそうです。 陽病は、自己の免疫が優位な状態のことのようで、 基本的に新陳代謝が上がるような漢方薬をお勧めされます。 太陽病(寒気、頭痛が出現する)については、 葛根湯を中心に、麻黄湯や桂枝湯がお勧めされます。 いわゆる、桂枝麻黄剤といわれる漢方です。 中心となる桂枝(つまりシナモン)のケイヒアルデヒドによる解熱作用と、 麻黄に含まれるエフェドリンで、アドレナリン受容体を刺激して、体温の上昇や気管支の拡張を行う。 というレシピになっているようです。 また、甘草にはグリチルリチンが含まれているため、糖質コルチコイドを増加させ、一時的な免疫の活性化も行っていると考えられます。 少陽病(食欲がなくなる)については、 小柴胡湯を中心に、柴胡剤をお勧めされます。 これは、中心となる柴胡に含まれるサイコサポニンがステロイド骨格も持つため、ステロイドのように体内で色々な作用をすることと、 同じく中心となる黄芩に含まれているバイカリンが、抗アレルギー作用を示すことで、ヒスタミンによる炎症や食欲の低下を抑えているようです。 (※ ただし、黄芩は間質性肺炎を起こすのではないかという報告もあるため、肺炎が怖いと言われているコロナが蔓延している現状では、リスクを減らすためにも、今はあまりお勧めしたくないと考えています。) また、甘草も含まれているので、糖質コルチコイドを増加させ、一時的な免疫の活性化も行っていると考えられます。 以上、たいていの場合は、このどちらかで治癒します。 もし、陽明病(高熱がでる)が起こったら、、、 セルフメディケーションでどうにかなる段階ではないので、医療機関を受診してください。 つまり、陰病になると免疫が病原体に負けそうになる状態なので、 例え漢方で治療するとしても、使用する漢方も難しくなるので、漢方の専門家にお願いするしかなくなります。 色々調べてきましたが、 やはり、自己判断で薬を選ぶのは悪化するリスクが大きすぎるので、 医療機関に行く元気を取り戻すために使う程度で、 医療機関に行く元気を取り戻せたら、医療機関に早めに受診するのが一番安心できると思いました。 今回のテーマの結論は、漢方の風邪の世界ですら、 薬効のある物質が複雑に絡まっていることを知り、 「もっと勉強してればよかった」 と、不勉強を嘆く今日この頃な感じです。 (ガックシ、、、、) 以上、薬剤師の独り言でした。